ロイド老嬢は昔読んだ本「アンの友だち」に出てくる短編の主人公
周りの人からは、プライドが高いケチと言われていました
でも本当は違ったんです
ロイド老嬢は昔は裕福な家だったけど今はお金がない、一日に食べるものにも苦労するくらい貧乏な生活をしていました
ですが、ロイド老嬢はそんなことを知られるくらいなら周りが勘違いしててくれたほうが未だ良いと思い誰にも言わず暮らしていました。時代遅れの豪華なドレスもまたプライドではなくお金がないから他に着る服が無かったんです
ある日、とてもきれいな娘に出会いました
その娘は隣の家に下宿していました
下宿先の子供たちと学校へ行くときなどはロイド老嬢は木陰からこっそり姿を見ては嬉しくなっていました
そして、なんだか昔どこかで会ったような気がする…と思うようになりました
その娘は昔付き合ったけど結婚しなかった男の人の娘だということがわかりました
はやり間違いなかったようです
今は両親ともに亡くなり、音楽学校へ行くために先生の仕事をしながらお金を貯めているということでした
ロイド老嬢は摘んだばかりの花束や色々なものをいつも通う道に置いて娘が喜ぶ顔を見てとても幸せな気持ちになりました
協会に寄付するお金も無いのに娘が裁縫クラブの会合に集まることを知ると夕飯代を寄付して空腹を我慢しながら寝て、会合では彼女の近くに座り若い子たちが話す話を全力で聞きました
すると彼女の方から声をかけてきてくれました
飛び上がるほどうれしい気持ちを隠しながらプライドの高い「ロイド老嬢」のまま会話しました
彼女がお父さんは昔本を書いていたけれど、一冊も持っていないと聞くとロイド老嬢は、その昔彼が送ってくれた本を自分は持っていることを思いました
ロイド老嬢にとってもすごく大切な宝物です
でも、この娘に本を匿名でプレゼントしました
もうページを見なくても覚えているからと。メッセージのある1ページだけ破りバレないようにして。
ある日、娘が音楽学校へ通いたいことを知ります
ロイド老嬢は「そのつてならあるけど…」と、すごく悩みました
その相手は、会社を経営している大富豪の従兄弟ですが、その従兄弟にロイド老嬢の父親がお金を騙し取られたせいで貧乏になってしまったからとても憎い人でしたから、そんな人に今更関わりたくありませんでした
しかし、ロイド老嬢は遠出して憎い従兄弟に才能のある娘を学校に入れてほしいと頼みました
従兄弟の方は過去の失敗を申し訳なく思っていたので頼まれてことをとても嬉しく思っていましたがロイド老嬢にはそれ以上の事もすると言いましたが断られました
その日の帰り道、駅から歩いて帰っている最中に雨が降り出しました
ロイド老嬢はびしょ濡れになりながら家に着きました
そしてベッドに寝込むと熱や咳が出て一気に具合が悪くなりました
使用人に発見される頃には死の境目をさまよい意識が朦朧としていました
そして、近所の人や従兄弟や大切な娘が来る中で今までの生活の苦しさを話し始めました
そこにいた人たちは全員驚きました。
峠を越え熱も下がり容体が安定したころにはロイド老嬢も今の状況を話してしまったことを後悔しましたが、周りの人たちは憐れな目で見ることはありませんでした
自分たちが今までひどい勘違いしてたことを後悔しました
それからは周りの人たちとも仲良くなり、従兄弟の支援も素直に受け入れ、娘になっていたかもしれない彼女にも感謝され今まで以上に好かれ、ロイド老嬢は幸せに暮らしました。
初めて読んだころから好きな短編です
モンゴメリーの小説は大体がハッピーエンドなので読んでいて辛くなりません
むしろ、わたし自身も幸せな気持ちにしてもらえるので本当に大好きです
村岡 花子 (翻訳)
掛川恭子 (翻訳)
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